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エレファントカシマシ 日比谷野外音楽堂~2012年10月14日 その2(ライブ本編)

 

薄い灰色の雲に覆われた空のもと、野音の客席が人で埋まっていく。

突然「中止」の報道があったり、直前に「やっぱり歌います」とこれまた急な決定があり、 もしかして今日やることを知らずに来ない人がいるのでは?と心配したけれど、 会場はほとんど満席に見えた。

ヒンヤリ冷たい風が吹き抜け、辺りから鳥の鳴き声が聞こえる。
周りのビルの窓はところどころ電気が付き、日曜でも仕事をしている人がいるらしい。

ここが野音・・・。

エレカシが20年以上も立ち続けて来た日比谷野外音楽堂か。

コンクリートの客席から見下ろした先にステージ。
ドラムにギターにキーボード、マイクスタンド、そしてトレードマークの男椅子。
いつものお馴染みの、エレカシのバンドセット。

ステージ下手からとつぜん早足でミヤジが現れた。

おおー!! どよめく会場。

ミヤジがアコギを持って椅子に座る。

みんなが固唾を飲み込んで一曲目を待つ。

この日の一曲目は・・・・

1.「序曲」夢のちまた

「夢のちまた」だった!
いつも見ていた野音DVDと同じ!
もしかしてエレカシ野音はいつもこの曲でスタートする慣わしなんだろうか?
ファン暦浅いから分からない。

ゾワーッと鳥肌が立って、でもカーッと体が熱くなって、目は食い入るようにミヤジを見つめて・・・

ミヤジの声が会場中にやわらかく響く。
声はどんどん広がっていって・・・ 本当にすごかった。
周りの空気をふるわして空の雲に反響するかのような広がり。

なんていい声なんだ・・・本当にいい声。

このあと最初のMCが入ったんだっけかな?

この日ミヤジは歌っては喋り、喋っては歌いという感じで進めて行ったのだけど、 どのMCがどの曲の間だったかなど全然思い出せないので、 MCは憶えているものだけ後でまとめて書きます。

2.悲しみの果て

アコギ1本で歌う悲しみの果て。
アコギの演奏自体はいたってシンプル。
やはりミヤジにとってギターはあくまで歌うための伴奏であり、 伝えたいのはとにかく歌!歌しかない! そんな感じ。

歌はところどころ力を抜いた優しい声色も聞かせ、弾き語りならではの「悲しみの果て」。
途中ギターをトチるがそんなのどうでもいいのだ。
声がもう・・・本当にすばらしくて・・・
何度も何度も何度も聴いた曲なのにまたもや感動して泣く自分。

野外の弾き語りの醍醐味。
風の音も、葉のそよぎも、虫の声も、この場のすべてがミヤジの歌のために鳴っている。
そんなイメージ。

3.約束

4.リッスントゥザミュージック

リッスントゥザミュージックでは蔦谷さんとミキオさんが登場。
2人の姿になんとなくホッとする。
ミヤジの支えになってくれるファンにとっても大切な存在だ。

ミヤジの姿を見て、歌う姿を見て、少しホッとしたのか、 この辺りからちょっと記憶が薄い・・・^^;

約束もいい声で歌っていたのは憶えているけど、 リッスントゥザミュージックにおいては何故かほとんど記憶が無い。
どうしてだろ?
せっかくの野音の空気を味わおうとよく空を見上げていたからかな?

ミヤジの声が響き渡る空を感じたかった。
今この時しか感じられないものだから。
後で映像作品になってこの日の模様を見られたとしても、 野音を包むこの日の空気は、今この瞬間しか感じることが出来ない。

5.月の夜

うれしかった。
好きな曲である。

6.うつらうつら

まさかの「うつらうつら」!
いつかは生で聴きたいと強く強く願っていた曲。
まさかこの最高の舞台でこの曲を聴けるとは・・・!

確かこの時だったと思うけど、小雨がパラついて来たので、 カッパを出し相方と2人でカッパに入りながら聴いていた。 ・・・・ちょっと集中出来なかったかも・・・。

いや、大大大好きな曲だから意地でも集中しようとしてたけど、 でもこの時雨が降って来なければもっとじっくり聴けただろうなぁ。

歌い終わったあとミヤジが「雨降ってきた?」とステージの先まで出て来て、 まさか雨降ってきたから終わりとか言わないよね?とハラハラしながら見ていたら、 「もう少しやってもいい?」と。
お客さん大拍手。
私ももちろん大拍手!

7.見果てぬ夢

またもや目頭が熱くなる・・・。
周りのお客さんたちも一曲一曲はじまるたびにため息を漏らしていた。
この曲もエレカシファンにはたまらないものね。

8.涙を流す男

はじめて聴く曲。
ちょっと軽快な印象。
もしかして・・・ズレてるのカップリングじゃ・・・?と思っていたらビンゴ。
まさに「涙を流す男」と歌っていた。

そして・・・・!

9.花男

まさかまさか!
この曲を歌ってくれるとは思わなかった!!
思わず「きゃー!」と叫んでしまった!!

曲に入る前、確か「みんなに捧げる歌」と言ってたような・・・?
でも花男でそんなこと言ってたことあったかなぁ?
ちょっと定かでは無いですが・・。

いやもう、うれしかった!
やっぱり私は花男が好きなんだ!
顔の表情までは見えなかったけど、どんな顔して歌ってるか、 歌声を聴いただけで想像出来ちゃったよ。
次の日のテレビを観て、やっぱり思った通りの顔して歌ってたよ。
うれしかった。本当に。
ここで初めて、いつものミヤジが戻って来た気がした。

10.俺たちの明日

「いい曲だよな~」としみじみ漏らすミヤジ(笑)

最近なにかと聴く機会が多かったのでちょっと聴き飽・・・いや聴き慣れていた曲だけど(笑)
やっぱり何度聴いてもいい曲なんだよなぁ、確かに。
ミヤジも大好きな歌なんだね。

11.笑顔の未来へ

リハで聴いた「笑顔の未来へ」。
でも本番の印象がほとんど残っていない^^;
ここで蔦谷さんとミキオさんが登場したことすら記憶に無いのはナゼだ!?

12.ズレてる方がいい

蔦谷さんとミキオさんに加え、エレカシメンバーのトミ、成ちゃん、石くんが登場!

みんながそろった!

そしてミヤジがいつものように総合司会に。

成ちゃんに「今日もダンディに決まってます!」 トミに「ツアーがんばりました」 石くんに「良かったですねアナタ、2○年目の野音に立てて」とか何とか。
(それはあなたでしょ!)とその場にいた誰もが心の中でツッコミを入れたことだろう(笑)

ああ、かわいさもいつもの通りだww

そして、エレファントカシマシ最新曲の「ズレてる方がいい」!!

あの歌い出し。
本当に何度も書いちゃうけど素晴らしい声!

溜めて溜めて歌うから伴奏と歌がズレるズレる(笑)
ズレてるのもいいけど少しは協調性も必要かと^^;
いや、ミヤジにはいらないか。
ロック歌手だもんね。

後半少し左耳を押さえるしぐさが。
耳をかばっていたのか。
ちょっと不安を掻き立てられたけど、最後まで見事な歌だった。

そして。

「また会おう」

いつもと同じ言葉を残し、投げキッスをしてステージを去って行った。

ミヤジの去り際、相方がこれまで聞いたこと無いようなデカい声で「ミヤジー!ミヤジー!」と叫んでいた。

私も叫びたかったけど、私の細い声じゃ聞こえないだろうな、と・・・。
相方みたいなしっかり通る声がうらやましい。

メンバーも全員退場し、無人となったステージ。
アンコールは・・・?
求めてもいいの・・・?

そんな戸惑いが伝わる控え目な拍手がまばらに聞こえ出し、 徐々に大きく広がってそのうち全員でしっかりアンコールの拍手に。

しかしそこで電気が付き、ライブ終了のアナウンスが。

みんな、ああやっぱりか・・・と落胆しつつも、 アンコールを求めた拍手はそのまま今日のミヤジを称える暖かい拍手に。

これまで聞いたどんな拍手よりお客さんたちの思いの篭ったあたたかい拍手だった。
お客さん一人一人の思いが重なり合っていた。
こんなすごい拍手を贈られるミヤジが誇らしかった。

誰も拍手をやめようとしないから、長い長い長~~い拍手だった。

この拍手、ミヤジはどんな思いで聞いていたかな。
きっと裏で聞いていたよね?

MC

本人から病状の説明と今後の活動について話す、とのことだったので、 なんとなく固い感じのかしこまった雰囲気を想像してたら、とんでもない!

初めの挨拶の後、ミヤジは堰を切ったようにしゃべりまくった(笑)

要約すると、9月の1日に左耳に違和感を感じたミヤジは、近所の耳鼻科で最初の受診をする。
その時「突発性難聴」と診断されステロイドを打ってもらい、一時は良くなるが、 その後再度悪化したため、今度は専門医のいる大きな病院(だっけ?)を再受診。

その時点でかなり状況は悪くなっており、補聴器を付けても聞こえないほどの状態と言われ、 結局10日間ほど入院をして手術を受けた。

手術では喉に管を通すので、苦味を感じなくなったり声が出なくなる恐れがあるが、 命を優先させてもらう、と先生に言われ、「そうしてください」とお願いした。 (この時のミヤジの心境を思うと・・・。ミヤジから声を奪わないでくれて神様ありがとう><。)

痩せてるけどずっと元気だったのに、いきなり手術とか入院とかびっくりした。

病室の壁を見ながらこれまでの人生を振り返った。

手術の後に腰が痛くなって先生に言ったら「あり得ない!」
次に足が痛くなって先生に言ったが「あり得ない!」

どうも病気に酔っていたみたい(?)。

実は4月からマラソンを始め、7月からタバコもやめている。
やっぱりこの年になって衰えて来ている。

一つ良いこともあって、タバコをやめて声が少し良くなったんですよ、と。

そして、「みんなあっち行ったりこっち行ったり・・・ほんとごめんね」と両手を合わせて。

かわい過ぎるでしょ><

「体は元気なんですよ」とか「大したこと無いんですよ」とか、元気をアピールしつつ、 「でもまだ爆音が怖いのでもう少し休むけど、またこうして戻って・・・戻って来たんで」と地面を指して。 (このニュアンス伝わるかな?)

※内容は完全に正確ではありませんし話が前後しているかもしれません。

実際はもっとたくさん話してくれた。
忘れてるのがたくさんあると思う。

まさか本人の口からこんなに詳しく、 そこまで言わなくても・・・ってくらい詳細に話してくれるとは思っておらず、 本当にこの人は隠し立てをしない正直な人だなぁと微笑ましかった^^

ミヤジの話はどれもこれも面白くて楽しくて(笑)
病気のことをしゃべっているのに、悲壮な感じはいっさい無かった。

しかも、 「でさ、○○してさぁ、もうびっくりしちゃって!」とか、 「先生がさ、○○とか言うわけ!」とか、 まるで親しい友達にざっくばらんに話すような調子なのです(笑)

いつものように身振り手振り激しく、きっとお顔も目を見開いて(これもいつものように)、 そんなミヤジを見ていたら・・・ なんだか笑ってしまった。

こっちはミヤジの思いを全身で受け止めようと鬼気迫る思いで待ち構えていたのに、 当の本人があまりにいつも通りの様子であっけらかんと話すのを見ていたら・・・ なんだか笑ってしまった。

もちろん耳の病気は完全に治ったわけではないし、 これからしばらく休養期間が必要なわけだし、 ミヤジがいつも通りに見えても実際は違うわけで。

だから笑うなんて不謹慎かも・・・と思わなくも無かったけど。

でも、ミヤジがファンに心配を掛けたくないという気持ち。
「活動休止」なんてマスコミにああも大げさに報道され、 ファンがどんな気持ちでいたのかをミヤジはきっと痛いほど分かっている。
だからこそ普段と変わらぬ自分の姿を見せたかったのではないか。
ファンを安心させたかったのではないか。

俺はこうしてここにいる。
耳の病気なんて大したことはない、そんなに心配するほどのことじゃないんだ。
みんなの大好きなミヤジはこうして今日も元気に歌っているだろ?

この日のミヤジのトークや歌、すべての振る舞いが、 私には彼からのそんなメッセージのように感じた。

だったら私はもう余計な心配はせず、 今日のミヤジのいつもと変わらぬ姿にホッと安心し、 いつか(きっと近いうちに!)必ず実現するエレカシとの再会を心待ちにして、 自分の生活をがんばるのみだ。

正直、心配が消えることは無いだろう。
本当の復活のその日までは。

いや、復活してからだっていつもいつもミヤジの身体のことを心配してしまうだろう。
だってファンなんだもの。
大好きなんだもの。

でもこの日ミヤジがファンにどうしても伝えたかったこととは、 きっとそういうことだったんだと思う。

だから私はその思いを受け止め、 本当の復活の日を楽しみに待とう。
うん。

“俺の姿を忘れるな”

この日歌った「花男」の歌詞。

待つのはツラくない。
ミヤジが希望を持たせてくれたからね。

私はミヤジを信じるさ。

以下、オフィシャルから転載。

「どうか俺を野音で少しだけ歌わせてくれ」と 宮本の強い希望により立った日比谷野音のステージ。
今出来うる限りの歌に想いを込めて アコースティックによる11曲とバンドによる1曲の全12曲、約1時間におよぶステージ。
この特別な日、今の想いを精一杯届けさせてもらう機会をくださり そして、全国のファンの皆様に温かく迎えて頂き、本当にありがとうございました。

【SET LIST】
M01 「序曲」夢のちまた
M02 悲しみの果て
M03 約束
M04 リッスントゥザミュージック  w/蔦谷好位置(key),ヒラマミキオ(G)
M05 月の夜
M06 うつら うつら
M07 見果てぬ夢
M08 涙を流す男
M09 花男
M10 俺たちの明日
M11 笑顔の未来へ  w/蔦谷好位置(key),ヒラマミキオ(G)
M12 ズレてる方がいい ※バンド演奏

↓この日のライブの様子は、このアルバムの特典DVDにノーカットで収録されています。

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