つつがなく

つつがなく

エレカシが大好きな2児の母。エレカシの話題を中心に、日々のこと、趣味のこと、音楽のことなどを書いています。

憧れのアパート



うちから歩いて7~8分のところに洋館のアパートがある。
白い2階建ての、メゾネットタイプのアパートで、
たぶん5世帯くらいが入居している。

チワワの散歩でたまにそのアパートを通りかかる。
古い建物で、天気の悪い日なんかだとちょっと不気味な雰囲気を醸し出すけれど、
洋館特有の格子の窓や、曲線を描いたお洒落なアイアンの柵のバルコニーなど、
普通の日本のアパートには感じられない味があって、
前から気になるアパートだった。

もし私がオットと離婚するようなことがあったら、子どもたちと一緒にここに住みたいな。
そんなことも考えたりした。
一度だけ「入居者募集」の張り紙がしてあって。
まさか本当に離婚するわけもなく、私がそこに住めることなんて無いのに、
次の入居者が決まらなければいい、なんて思っていた。
願いむなしくすぐに新しい住人が住みはじめてしまったけど。


今日、チワワの散歩でまたそのアパートの前を通りかかった。
アパートの周りの道をぐるりと歩いていたら、
2階のとある部屋のカーテンが全開になっていて中が見えた。
外はもうだいぶ暗くなっていたので余計によく見えた。

窓際に白いピアノが置いてあって、髪の長い女の人が窓に背を向けてピアノを弾いていた。
部屋は思ったより広そうだった。
中央らへんに白い円柱が立っていて、壁際の棚も白で揃えてあって、
とっても素敵な雰囲気の部屋だった。

下から見上げているので、見えたのはそれだけだったけど、
なんだか自分の今いる場所とは異空間のように感じた。
そのアパートに住んでるのは特別な人たちのような気がした。
そのアパートは何処か違う世界からやってきて、
目立たないようにひっそりとこの町の一角に佇んでいるような。


そんな、まるで星新一の小説のような空想を楽しみながら、帰りの道をチワワと歩いた。

少し暖かい宵の散歩だった。